※当記事はBIG4編及びその他諸々のネタバレをこの上なく含んでいます。
2024年6月21日正午。
22年6月27日に開幕した新章・BIG4編がついに完結。
青春の濃密さを表すかのように、約2年に渡って展開されたストーリー。
最後は御存知の通り、3度目の正直と言わんばかりに月ストがどりきゅんを打ち破り、晴れてBIG4の仲間入りを果たしました。
長い間もがき苦しんだ彼女たちと、その光景を間近で見続けていたマネージャーの皆さんですから、この勝利の美酒の旨味もひとしお。
ぎゅっとぎゅーっと抱きしめて、彼女たちの健闘を称えたい気持ちでいっぱいでしょう。
しかし我々はマネージャー。
勝って兜の緒を締めよ、ではないですが、時には冷静に勝利を分析することも必要です。
さて問題です。
3度目のBIG4チャレンジで、月ストが勝利を手にした理由はなんでしょうか。
今回ストーリー内で示されることはありませんでしたが、私は一つの可能性に思い至りました。
キーワードは「狂気」です。
1.勝因はファンにあり
ここで一旦、過去の戦いを振り返ってみましょう。
まずはアイプラ史上で初の大金星となった、NEXT VENUSグランプリ準決勝。
デビューから数ヶ月足らずという月のテンペスト及びサニーピースが、方や前回ファイナリストのLizNoirと方や世代トップの超大型ルーキーTRINITYAiLEとそれぞれ相まみえるという戦い。
下馬評は圧倒的不利との見方だった月スト・サニピでしたが、結果は大勝利。優勝候補筆頭を打ち破る大金星を上げたのでした。
勝敗を分けた要因、それは「長瀬麻奈に囚われていたこと」でした。
リズノワとトリエル、その背景はそれぞれ異なってはいましたが、今は亡きアイドル長瀬麻奈を超えることに躍起になっており、目の前のライバルやファンへの意識が少し薄れていました。
技術では上回っていたかもしれない両グループですが、ファンへの意識の欠如が敗北という結果につながってしまいました。
※番外編TIRINITYAiLE編1章19話より |
続いて、I-UNITY決勝のサニーピースvsⅢXの一戦。
相手はBIG4ということで、その実力は折り紙付き。新進気鋭の月ストをも下したと実績も十分。
しかしながら、それでもスリクスはサニピに屈してBIG4の座を追われることとなってしまったのです。
サニピの勝因、それはやはり「ファンの存在」でした。
まずスリクスが……というよりはmihoが、ではありますが「長瀬麻奈に囚われていたこと」。
また、スリクスのスタイルとしてファンサよりもパフォーマンスの正確性を何より重視していたことがありました。
なお、これはVENUS AI下で戦うアイドルの戦略であって、ファンを軽視しているということではありません。
少し脱線しますが、VENUSプログラムのスコアはパフォーマンスの精度と観客の盛り上がりから算出されています。
前者は安定的に得点を稼げること、後者は安定性はないものの大きく跳ねる可能性があるもの、という認識をされています。
絶対勝利を誓うスリクスは、不安定な爆発力よりも安定したスコアを選んだわけです。
対してサニピは彼女たちのアイドルのカタチとして「ファンと繋がること」を第一に掲げました。
姫野の罠をもろともせず、ハプニングをもサプライズにして見せて観客点を荒稼ぎし、スリクスを上回るという結果を手に入れたのです。
※番外編ⅢX編1章17話より |
過去の勝利。その共通点は「ファン」でした。
では今回の勝利も「ファン」だったのでしょうか。
その答えは「たぶんそう部分的にそう」といったところでしょうか。
2.狂気的な存在、どりきゅん
どりきゅんはファンを軽視していたのでしょうか?
答えは否。
ライブシーンではファンを盛り上げることを欠かさず、圧倒的パフォーマンスも相まって、見る人々の心臓を鷲掴みにしてきました。
「熱狂的」とも称されるファン層を抱えるどりきゅんは、間違いなく見るものを狂わせてきたわけです。
※BIG4編1章42話より |
そこに相対した月のテンペスト。
初戦・2戦目と低迷を極めていた彼女たちに、本当にファンの姿は見えていたでしょうか。
2戦目において、4人になった月ストはどりきゅんを追い詰めることにこそ成功しましたが、それでもなお敵わなかった。
どりきゅんの「狂気」にまだ及ばなかったのです。
では何故3戦目で月ストはどりきゅんを喰らうことが出来たのか。
まず単純に、「実力が上がっていたから」というのはそう。
どりきゅん対策として、BIG4経験者たるスリクスとライブバトルを重ね、互角の勝負を演じてきました。
このバトルは観客のいないレッスン室での戦い。
つまり観客点は一切考慮されていない、純粋なパフォーマンスだけの勝負。
ここで月ストはスリクスと拮抗することが出来ていたのです。
しかしながらそれだけでは敵わないのがどりきゅん。
ではその勝負の分け目はなんなのか?
それはまさにLunaticなのです。
3.狂気vs狂気
英語で「lunar」は「月の」という意味を持つ形容詞。
対して「lunatic」はしばしば「狂気」という意味を持つ単語です。
なぜそこに月の概念が入り込むのか。
それは西洋に「月の光は人を狂わせる」という考え方があったためです。
BIG4チャレンジの第3戦。
ついに悩みを乗り越え、一人ひとりが「みんなを照らす月」となった5人の月のテンペスト。
狂気の象徴たるどりきゅんを倒すべく選んだ一曲は、新曲「月ノヒカリ」。
想い全てを背負って、彼女たちはファンを照らしました。
そのパフォーマンスに、月の光に当てられたファン。
彼らは月に魅せられて、狂わされてしまったのです。
「熱狂」したのです。
ファンを熱狂させた月ストは、前述の観客点でアドバンテージを得て、因縁のどりきゅんについに雪辱を果たしたのでした。
4.おわりに
BIG4という立場で並び立ったサニピと月スト。
太陽の光でファンと繋がるサニピ、月の光でファンを熱狂させる月スト。
その存在はやはり表と裏。
それぞれが見つけた「WHAT IS IDOL」でBIG4という地位を手に入れたのでした。
さて、最後でも姿を見せましたが指を咥えて見ているわけにはいかないトリエルとリズノワ。
彼女たちもまた、自分たちなりの答えを見つけて、その地位に登り詰めてくるのでしょう。
星見プロ全体の繁栄を心より祈って。
それではおそらく新章となるであろう、VENUSグランプリ編の考察記事でお会いしましょう。
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