2022/06/27

VENUSプログラムを再考する【アイプラ】

 ※当記事はBIG4編のネタバレをふんだんに含みます



前回更新の『VENUSプログラムを考える』という記事では、東京編完結時点で明かされている状況をもとにVENUSプログラムの仕組みや各グループのランキング到達点を考察しました。

今回は6月27日正午より開幕した新章・BIG4編において明らかになった情報も加えながら、先の考察をもう少し深めていきましょう。


1.各アイドルの到達点

さて、前回も同じ表題で考察をいたしましたが今回はストーリーの中で言及があったので、まずはこちらを見ていきましょう。


☆サニーピース


上記の画像にもある通り、I-UNITYでの功績もあり晴れてBIG4入りを果たしています。

「いいとこPLATINUM昇格ぐらいでは……?」と予想してた私の期待を良い意味で裏切る結果となりました。

NVGP優勝でGOLD1に昇格していたことを考えるととてつもない大躍進を遂げたということですね。

☆ⅢX


姫野の逮捕、プレタポルテの撤退、茨城にて独立となかなか憂き目が続いているスリクスですがさらにBIG4から陥落とまさに泣きっ面に蜂。

明確にランキングは語られていませんが、恐らくはDIAMONDに降格してしまったのでしょう。

ここから3人はBIG4返り咲きを狙うのでしょうが、アプリ上ではDIAMONDといえど1000グループがひしめき合っています。その道程はなかなかに険しいものになるのかも知れません。

(オプトアウト条項付きながらも)星見プロと契約を交わしたのが吉と出るか凶と出るか……。

☆TRINITYAiLE


対照的に快進撃を続けているのはトリエル。

ストーリーではしばしば登場する「一番BIG4に近い」という文言ですが、恐らくこれはDIAMONDの上位を指しているのでしょう。

I-UNITYでは不戦敗や濡れ衣ととにかく盤外での混乱が多かったトリエルですが、すべてが解決してからは相当調子をあげている様子。

というより、NVGP終了時点で「過去最高の調子」という優の評価や「スリクスをも脅かしかねない存在」という姫野の評価もあったため、この結果はある意味順当だったのかもしれません。たぶんゴタゴタがなければもっと早くこの地点に到達していたでしょう。

☆LizNoir


相変わらず明確なランキングがわからないリズノワ。現在は全国ツアーに出ているらしいですが、「リズノワの活動も好調」という言葉からそれなりにランキングは上げてきているのでしょう。

前回の記事ではSILVER帯と予想していましたが、もしかしたらPLATINUMぐらいまでは昇格しているのかも。

ただ現在のリズノワはランキング云々よりは、愛やこころの加入によって思い出した「ファン寄りの活動」というのに重きをおいているかもしれないので、ランキングはあまり気にしていないということも考えられますね。

☆月のテンペスト


最後はやや暗黒の沼が見える月スト。

前回の記事では「PLATINUM昇格間近」と予想していましたが、まさかの絶不調によるランキングダウン。

琴乃の「立ち止まっている感じ」という言葉からGOLD1停滞や最悪の場合SILVER帯陥落という状況に陥っているかも知れません。

だいぶ危機的状況な月ストですが、状況を一変させられるような一手は果たしてあるのでしょうか……。



2.システム上の下剋上

ここからが本題です。

先に示した通り、スリクスを破ったサニピは晴れてBIG4入りを果たしています。

これが意味すること。

それはこのシステムにおいて「下剋上こそ正義」ということです。

前回の考察でも「ライブバトルは上位層にとってハイリスクローリターン」という話をしましたが、まさにそのことを示したカタチ。

もともとBIG4ランカーでもなかったサニピが、たった一度の勝利でBIG4入りを果たしたということは、BIG4に勝利することで得られるVENUSポイントはとてつもない量であったことは想像に容易いです。

サニピにとって見ればとんでもなくハイリターン。

しかしスリクスからしてみればたまったもんじゃありません。

遥かに格下のサニピに勝ったところで得られるポイントは微々たるものでありながら、その敗北はBIG4という立場すら奪い去っていきました。

まさにハイリスクローリターン。

そりゃあ上位層はライブバトルに応じたがらないわけですし、スリクスを除いた他のBIG4も大会に出たがらないわけです。

以前想像していた以上に、このシステムはいびつな構造なのかもしれません。

3.システムの欠陥

そしてやはりここに言及しなければなりません。

先に述べた通り、サニピはたった一度の勝利でBIG4という地位を手に入れてしまったわけですが、この結果にはシステムの重大な欠陥が隠れています。

I-UNITY決勝は、双方とも全力を出し切った上での結果ですので、サニピの昇格もそこそこ受け入れやすいものだとは思います。

しかし、もしスリクスの敗北がアクシデントによるものだとしたらどうなってしまうでしょうか。


少し話がそれますが、決勝の舞台において姫野はこれでもかと妨害工作に走りました。その狙いはアクシデントによってサニピのパフォーマンスを著しく低下させて、サニピにとってAIが不利な判定を下すことだったと思われます。

つまり、ミスやアクシデントは敗北に直結するのです。


それでは話を戻しましょう。

もしもスリクスが単純なミスでサニピに敗北していたとしても、結果的には負けは負け。

恐らくとてつもない量のVENUSポイントがサニピに強奪され、やはりBIG4から陥落してしまうのでしょう。

それをシステムの欠陥だと言わずしてなんと言うのでしょう。


このVENUSプログラムというのはアイドルの人気を如実に表したシステムだと言われています。

しかしながら、ライブバトルにおいてのたった一度のミスでランキングは右往左往。人気も移り変わっているということになります。

それは本当にアイドルファンの気持ちに寄り添ったシステムでしょうか?


4.おわりに

まだまだその全貌が見えないVENUSプログラム。

BIG4編と銘打たれた新章では否が応でもこのシステムが物語に絡んでくるものと思われます。

VENUSプログラムが設立に至った経緯や過去などがわかると良いですね。


ところで巷ではスリクスのプレイアブルキャラ化について大変賛否両論です。

私は賛も否も語ることはしませんが、それぞれが後悔なきよう自らの言動に注意することを願います。


バンプロダクション社長・朝倉恭一氏の「破壊を恐れては新しいものは生まれはしない」というセリフを締めの言葉にして。

また次回の記事でお会いしましょう。

2022/06/17

VENUSプログラムを考える【アイプラ】

※ゲームの攻略記事ではありません


『アイドルが隆盛を極める現代、アイドル達をランク付けするある画期的なシステムが登場した――』

これはゲーム版IDOLY PRIDEのプロローグにて登場する三枝信司のセリフです。

アイプラの世界は、このシステム―VENUS プログラム―を巡って物語が展開されていきます。

ではそのVENUSプログラムとは一体なんなのか?

実はその全貌はゲームでもアニメでも明らかにされていません。

断片的な情報は提示されているものの、どういったシステムなのか完全に理解ができるほどではないといえます。

ですので、今回は私なりにこのVENUSプログラムを考察していこうと思います。


1.当事者たちの理解

まずはVENUSプログラムの当事者たちが、このシステムをどのように理解しているかを見ていきましょう。


このシステムの概要を、サニピのメンバーである兵藤雫はこのように語っています。

こちらからわかるように、VENUSプログラムはアイドルの「強さ」をわかりやすくするためにランキング付けをしているということです。


次に星見プロの社長である三枝は、アニメ1話にてアイドルの評価方法を説明しています。

「ライブの集客数やパフォーマンス、オーディエンスの反応など様々な情報をもとにAIがリアルタイムに判定し数値を出す」

「平等の条件下で競い合わせようという試みだ」

この説明を聞いた牧野航平は「スポーツみたい」と評しています。


ちなみに情報の収集については、ⅢXのメンバーのmihoが説明しています。



彼女たちの説明である程度の概要が掴めたところで、このシステムの根幹たるランキングシステムを見ていきましょう。


2.ゲームから見るVENUSプログラム


実はこのVENUSプログラムというシステムは、ゲームにも実装されています。

ゲーム内のTIPSからランキングシステムを紐解いてみましょう。


まずは先の三枝の発言にあった「数値」という概念。

TIPSには、

「各種ライブの成績に応じて『VENUSポイント』を獲得することができ、その累計ポイントによって、VENUS RANKとグループ内での順位が決まります」

と説明があります。

このVENUSポイントというのが「数値」であると考えられます。

つまりアイドルたちはライブを盛り上げてVENUSポイントを稼いでいく、というのが成功への道筋だと言えるでしょう。


しかし先の説明でちょっと見慣れない言葉が出てきましたね。

そう、「VENUS RANK」という存在。

VENUSランクとは、稼いだVENUSポイントに応じて付与される称号のようなものです。

昨今様々なゲームで、自身の強さに応じてゴールドだとかプラチナだとかプレデターだとかに分けられると思うのですが、まさにそのような感じ。

このVENUSプログラムにおいては「CHALLENGER」「BRONZE」「SILVER」「GOLD」、「PLATINUM」「DIAMOND」、「BIG4」の7種15グループが存在しています。

前半の4種は「CHALLENGE1~3」「GOLD1~3」といったように、そのランクの中でも順番が存在しています。

また、この4種は単純に規定のポイントを満たせば昇格することができるため、日々アイドルとして努力をすれば絶対にたどり着ける領域でもあります。


話が少し変わってくるのが「PLATINUM」「DIAMOND」「BIG4」というグループ。

これらのグループは地続きになっていて、ここから明確にランキングの概念が生じてきます。

一応それぞれに規定のポイントは存在しているのですが、それと同時にプラチナであれば2000位以内、DIAMONDであれば1000位以内という条件が存在します。

ここからはまさに弱肉強食の世界。弱いものは淘汰され、強いものが更に強いものを食ってのし上がっていく戦いになっているわけです。

そしてその頂点に君臨するのが「BIG4」。

VENUSプログラムのトップ4に到達したアイドルにのみこの「BIG4」という称号が贈られるのです。


さて、これでVENUSプログラムがどういったものなのか見えてきたと思います。

それでは今度はプロデューサーの目線から、VENUSプログラムでの勝ち上がり方を考えていきましょう。


3.VENUSプログラムの攻略法

AIの評価方法から察するに、大きな箱を埋めて、完璧なパフォーマンスを披露して、オーディエンスを盛り上げれば、沢山のVENUSポイントを獲得できるということでしょう。

また、このアイプラ世界において「ライブバトル」というグループ同士がAIが下す判定の数値で競い合う形式のライブが盛んに行われていることから、このライブバトルが効率のよいポイントの稼ぎ方だと思われます。

ただ、この「ライブバトル」は勝てばポイントを稼げる反面、負ければポイントを失うというデメリットを抱えています。いわば、ハイリスクハイリターンの方法のようですね。

ところで、いわゆる現実世界のアイドルのライブのように、単純にパフォーマンスを披露するだけのものはないのかと問われれば、もちろんそれも存在しているようです。

物語の中でも、度々アイドルフェスに登場したりソロのイベントをやっていたりとバトルだけではないライブ活動を行っています。

これらの一般的なライブには、アイドルとしての注目度を上げるという目的もあるのでしょうが、多少なりともVENUSポイントが加算されていると考えるのが妥当でしょう。あくまでVENUSプログラムはパフォーマンスやオーディエンスの反応をベースに判定するものなので。


つまり、アイドルを様々なイベントに出演させて知名度を上げ、ライブバトルで勝利を積み重ねてランキングを駆け上がっていくのが、プロデューサーとしての勝利への方程式だと考えられます。


しかしここでちょっとした問題提起。

BIG4のグループを抱える大手事務所、プレタポルテの専務はこのような発言をしています。


上位グループはなかなかライブバトルに応じてくれない……?


4.VENUSプログラムは本当に平等?

先の三枝の発言ですが、VENUSプログラムとは「平等の条件下で競い合わせようという試み」です。

しかしそれは本当に平等な条件を作り出しているのでしょうか。


プレタポルテの専務曰く、BIG4はなかなかライブバトルに応じてくれない。

それはもちろん、スケジュールが詰まっているからといった理由もあるでしょう。

しかし私はそれ以上に、ライブバトルには上位グループにとってある明確なデメリットが存在しているからではないか、と考えるのです。


一旦話をゲーム目線に変えます。

何度か紹介しているTIPSにおいて、VENUSポイントは「最終結果によってポイントが減少することがある」と説明されています。

それはつまり負ければポイントが奪われるということですよね。


そこでライブバトルという形式。

これはハイリスクハイリターンという説明をしましたが、あくまで挑戦者側の目線。

ことランキング上位側からしてみればどうでしょうか。

上位グループが下位グループに挑まれた場合、勝利を収めたとしても得られるポイントは恐らく微々たるものでしょう。

そしてもし、不調やミスなどで番狂わせが起こったのならば。今まで築き上げてきたポイントを奪われることになります。

特に上位層というのは僅かなポイント差でひしめき合っているため、1つの敗北がとてつもなく尾を引く可能性があります。

そう、つまりこのライブバトルは上位層にとってはハイリスクローリターンの手段になってしまうのです。


ところでスリクスがBIG4と対戦できたのは彼女たちの実力もあるでしょうが、大手事務所のプレタポルテの存在が大きからでしょう。

上位層からしてみればハイリスクでも、相手が大手事務所のグループともなれば確実に知名度は上がる。挑戦者側は事務所が大きければ大きいほど相手にしてもらいやすくなるでしょう。


では逆に新興事務所や弱小事務所だとどうなるか?

上位層とのバトルは交渉の席につくことすら許されないのではないでしょうか。

というより、そもそも上位層まで届かせるのが難しいかもしれません。

オーディエンスの反応や集客数もポイントになっている以上、事務所の宣伝力がなければまずポイントになるお客さんを集めることすら叶いません。

大手事務所には、それくらいの宣伝は造作もないことです。


このVENUSプログラムは、アイドルを平等の条件下で競わせるという大義名分を掲げていますが、その実は現実世界と何ら変わりのない、事務所の力が物を言う競争を作り上げているのかもしれません。


5.各アイドルの到達点と未来

さて、ここまでVENUSプログラムを掘り下げてきましたが、最後にアイプラに登場するアイドルのランキングの到達点を見てみましょう。


まずは長瀬麻奈


アニメ1話の回想から少なくともSILVER2までは到達していることが伺えます。

NEXTVENUSグランプリの優勝特典の1つがGOLD1昇格だったので、そこまでの可能性はあったということですね。


次にその長瀬麻奈と相まみえるはずだったLizNoir

彼女たちのランクを示す明確な情報はないのですが、NEXTVENUSグランプリに二度参戦していることを踏まえるとシルバー帯にいるのかもしれません。

また、第15回閉幕後はアメリカにて武者修行を行っていたため、東京編の現在でもそれほど大きな変動はないのかもしれませんね。


そして第15回NVGPの覇者、月のテンペスト

こちらは前記の通り星見編終了時点でGOLD1に昇格しています。

その後のI-UNITY3位という結果も踏まえるとあと少しでPLATINUMに届きそう、というところまでは昇格している可能性があります。

ここは今後の活躍に期待ですね。


同じく第15回NVGPの覇者で第1回I-UNITYの覇者でもある、サニーピース

BIG4を打ち破ったことで「BIG4入り?」とも思えそうですが、星見編終了時点で月ストと同じくGOLD1だったことを考えると、PLATINUMに昇格を果たしたぐらいとするのが妥当かと思われます。

BIG4相手の勝利で得たポイントはたしかに大きいでしょうが、2000グループ近いアイドルをいきなり飛び越えてBIG4に昇格というのは少々考えにくいです。

ただ、恐らく星見プロでは最上位に位置するサニーピース。今後はBIG4入りも狙っていけることでしょう。


星見プロの中では最後の紹介、TRINITYAiLE

NVGP閉幕からI-UNITYまでとにかく波乱につぐ波乱だったグループですが、恐らくランクはGOLD帯

I-UNITYでのパフォーマンスが評価されて、GOLDまでは昇格しているのではないかという予想です。

いろいろと身の回りのゴタゴタが解決したトリエルですので、ここからどんどん上り詰めていくのではないでしょうか。


最後はプレタポルテ所属のBIG4、ⅢX


とはいえ、I-UNITYでサニピに敗北してしまったことからBIG4からDIAMONDに降格した可能性が濃厚です。

まだ確定はしていませんが、ここから先はBIG4返り咲きが最優先になっていくのでしょう。


そしておまけ。武田美帆子と藤代葉属する、第13回NVGP覇者のsundance


mihoの発言からBIG4も狙える位置、ということでDIAMONDまで登り詰めていたのは間違いないでしょう。

NVGPの優勝から1年足らずでここまでランクを上げていたのですから、そのポテンシャルはとてつもないものだったと予想されます。

もしsundanceが今もまだ活動していたら、アイドル界の勢力図はぜんぜん違うものになっていたのかもしれませんね。


6.まとめ

さあ、長々と語ってきたVENUSプログラムの考察もこれにて一旦終了。

考察とは言いましたが、結構妄想ベースのところも多く、今後覆される可能性を多大に孕んだモノです。

信じるも信じないも貴方次第、ということで。


最後に。

皆さんはこのVENUSプログラムは本当にアイドルにとって平等だと思いますか?

良ければご意見をお聞かせください。

2022/06/03

MBTI診断とぼく

※筆者はMBTIに精通しているわけではありません。ものすごくフワっとした理解ですのであまり真に受けすぎないでください。


MBTIはいわゆる性格診断の一種で、「どう世界を認識し、物事への決定を下すかを示す」ものだそうです。

韓国で流行り始めてそれが日本にもやってきたらしく、「怖いほど当たる」と話題なのだとか。


この診断において多く用いられているのが「16Personalities」というサイトの診断。

全部で60個の問いに答えて「他人との関わり方」「物事の見方や情報処理」「意思決定、感情処理の仕方」「仕事や計画の進め方」という四つの観点から性格を示してくれるというシロモノ。

正直60問ぐらいで人間の性格を網羅できるとは考えにくいので、当たるも八卦当たらぬも八卦というところでしょう。


と、さんざんこき下ろしておきながらかくいう私も知人からMBTIの存在を教えてもらい、はじめて診断してみたのが2021年4月のこと。

この時点での私の評価は「広報運動型(ENFP)」でした。

MBTIを知らない人からしてみればなんのこっちゃという文字列でしょうが、ここでそのすべての評価を解説するつもりはありませんのであしからず。


さて、私の評価の話に戻ります。

大まかにどんな人間かと説明すると、「好奇心旺盛で人付き合いも大好き。楽天的だけどやや繊細な内面も持つ」という人間。

なんだかアニメや漫画の主人公みたいですが、実際そのようで主人公はENFPに分類されることが少なくないようです。

ちなみに私はこの診断を受け取ったときに「うーん……?」とやや首を傾げ、素直に受け止められなかったという現実があります。



そして時が経つこと10ヶ月。

2022年2月に私は再びこのテストを受験しました。

その結果は「仲介者(INFP-T)」へと変貌を遂げていました。

仲介者と言われるとなんだか聞こえが良いですが、「独創的だけど行動力はない」というやや厳し目の評価。

その影響か検索エンジンで「INFP-T」と入力すると「クズ」だの「やばい」だの「社会不適合」だのと散々なサジェストが並びます。

前回の評価とはまさに180度違う結果ではありますが、正直やや受け入れられた感があったのも事実です。



時は流れ2022年6月。

何の因果かちょうど四ヶ月の間をおいてまたもこの存在を思い出し受験。

今度は「エンターテイナー(ESFP-T)」というまた新たな評価を手にしました。

これを一言で評すると「感性豊かで柔軟に行動できる人」だそうです。良い評価ですね。



三度受けて三度違う評価を得てしまい、もはや自分という人間がわからなくなってしまいそうなのですが、この診断の結果をそれだけで終わらせるのはもったいない。

もう少しこの結果を深掘りしていきましょう。



まず初回受験時の2021年4月。

このときは浪人生活を終えてまもなくのことで、約一年間の社会からの隔絶を経た上での受験でした。

つまり、他人との関わりや社会との関わりの経験が著しく低下した状態だったというわけです。

それゆえ、問いに答えるにあたって利用したのは中高生時代の少し古い自分でした。

いわばその時点での「真の自分」とは少し離れていたわけですね。


次の受験時は2022年2月。

既に大学生としての一年を終えて冬休みに入っている段階でした。

ただ、相変わらずコロナは猛威を振るい人間らしい社会活動が出来ていたかは微妙だったと言わざるを得ません。

特に後期の間は大半の授業がリモートで人との関わりが薄くなり、次第に寒さも厳しくなって家に引きこもるようになっていたのです。

別に彼女もいなければバイトをしているわけでもない。そういうセルフ隔絶の状態で受験した結果がINFP-Tでした。


そして直近の受験である2022年6月。

二年に進級し心機一転、人間として社会活動をしようと動き出してしばらく。

今まで大学の中だけで完結していた社会活動が、バイトというカタチで関わるようになり、社会との接点が大きく増えていました。

それにコロナとの関わり方も変わり、友人と顔を合わせる機会もほぼ毎日となっていました。



三度の受験の背景を見たところで、再び診断結果に目を移します。

「ENFP」「INFP」「ESFP」

まず三つの共通点は最後の二文字、「FP」です。

この部分は先に上げた「意思決定、感情処理の仕方」「仕事や計画の進め方」をそれぞれ示しており、「繊細で気持ちに従い、調和と協力を重んじる道理型(F)」で「即興に長けていて、選択肢を残しておくことを好み、自由を求める探索型(P)」というタイプを示しています。

この結果は三度とも一致していることから、恐らく私固有の性格と言っても問題はないものと思われます。


では次に違っている部分を見ていきましょう。

まずは最初の文字の一文字である、「EとI」。

この部分は人との関わり方を示しており、Iは内向型Eは外向型を示しています。

完全に真逆の評価を出しているわけですが、ここで受験したときの背景と照らし合わせてみましょう。

中高生時代という社会との関わりと持っていたときと、バイトなどで社会と深く関わっていたときの記憶を頼りにしているときはE。

セルフ隔絶を行っている時はI。

……おわかりでしょうか?この最初の文字の部分は、社会との関わりの強さによって大きく影響を受けているのです。


少し余談になるのですが、西尾維新先生の著作である「きみとぼくが壊した世界」という作品の中に「病院坂黒猫」という少女が登場します。

ややうろ覚えなので正しい話ではないのかもしれませんが、彼女は人間恐怖症という一面を抱えながら時に人と流暢に会話ができるシーンが存在します。

彼女いわくそれは「社交モード」に入っているから会話ができるらしいです。

この本を読んだのがいつだったか記憶が定かではありませんが、この「社交モード」という概念に強く心を打たれたのは覚えています。

私は元来他人との会話が得意な方ではありませんが、かといって社会で生活する上で人と話せないといった困難に直面したことはありません。

むしろ幼い頃から大人びているだとかそういう評価を受ける程度には社会的でした。

これはつまり私の中にも「社交モード」が存在しているというわけですね。


さて、MBTIの話に戻りましょう。

私が社会との関わりが密接であればあるほど、私の意識の中で「社交モード」の存在が大きくなっていきます。

つまりそれは考え方がとても外向型になるということ。

逆に社会との関わりを絶てば絶つほど「社交モード」が希薄になり、内向的になっていくのです。

そこから導き出されるものはなんでしょうか。


私の本当の自分は内向的なのかもしれませんが、決して意識が外に向かうことを拒絶しておらず、そちらにもそれ相応の魅力を見出しているということなのかもしれませんね。




ところで本来の流れならば、最後に二文字目である「SとN」について論じるべきなのでしょうが、ここはどうも自分でも何故違う結果になったのかということの納得がいってないので割愛させてください。

それらしい答えが出たらちゃんと考察しようと思います。





さて、長々語ってきたMBTI。

結局のところ何が言いたいのかと言うと、「性格診断ってのはその場の感情に大きく左右されうるよね」という話です。

あまり「本当の自分はこれ!」って型にはめ過ぎず、その場その場で柔軟な自分でもいいんじゃないかと思います。

皆さんも診断結果で悩みすぎないようにしましょうね!