今朝の記事はさすがに感情的すぎましたので、もっと冷静に。
こんばんは、シルエットです。
まず前置きに。
八月のシンデレラナインが、本日サービス開始4周年を迎えました。ソシャゲ激戦時代と呼ばれる(?)昨今で、今日までコアなファンを抱えて生き延びてきたのは本当に素晴らしいことだと思います。
最近では多種多様なメディアミックスに、ゲーム面での進化と成長の留まるところを知らないハチナイ。この先、このゲームはどのようになっていくのか。楽しみで、目が離せない作品です。
さて、ハチナイの周年行事といえば公式ファンアート祭。実は昨年の3周年での開催が初めての取り組みで、歴史はそこまで深くはないのですが、公式自らが開催するということも相まって大盛りあがり。さらに、FAを送ったユーザーには、ガチャが引けるアイテムであるナインスターが5つ(末端価格600円)貰えるため、「普段は絵を描かないけど、折角なら……」というユーザーさんも少なくなく、ハチナイの創作界隈にニューフェイスが現れることもしばしば。
ちなみにこれは余談ですが、僕は昨年・今年共にファンアートは投稿しておりません。というのも、僕はそもそも絵が下手でとても人様に見せられるものではなく、僕のひっくい画力のイラストでナインスターを貰おうなどと考えるのはひどく浅ましいと思ってしまうからです。その代わりと言ってはなんですが、僕は文を書く力が絵を書く力よりも長けていますので、ツイッターやpixivに周年を記念するSSを上げています。
閑話休題。
実は昨年、初めてのFA企画のときに(僕の中で)物議を醸した作品がありました。ここでその画像を掲載したいのですが、「権利意識」と今日の記事を銘打っている以上、さすがに無断転載はできないので、代わりに公式がアップロードしているFA紹介動画のリンクを張ります。
こちらの動画です。FAとして映るのは「三周年おめでとう!最高です~」と流れるように書かれた文字。果たしてこれはFAと言えるのか?という話です。
しかしながら、僕はこの作品をFAとして受け入れました。一度は書道を習い(お習字だけど)、筆を動かしてきた身。「文字」というのも立派な芸術作品であることは理解しています。
このイラストも、一見煩雑に見えてある一定のクセでまとまった字体は、この監督さんが生み出した独自の書体なのかもしれません。
ファンアートといえばイラストであるという固定観念がありますが、アートの語源は広く芸術を指します。故に文字もファンアートであると言っても良いでしょう。
そして、4周年。残念ながら、今年はアートかどうか云々以前の「権利的にどうなの?」という作品が投稿されてしまいました。
今朝は、その作品に対する怒りの文章を書き連ねておりました。ただ、夜が明けて、少し冷静な頭になりますと、「本当に権利的にまずいの?」「実はセーフなんじゃない?」と思うようになりました。そのため、ここからは僕が個人的に「ん?」と思った作品を3つほど紹介し、権利的な観点から考察していこうと思います。
前述の通り、イラストをそのまま掲載することはありません。動画のリンクを貼る、という形にします。
ラ
まず、一作品目。エリシャ監督の作品。「ハチナイ4周年おめでとうございます!」という文字と、4人のキャラクターの画像が並んでいます。
ネット文化に精通されている方はもうお気づきかもしれませんが、この4人の画像はイリュージョンより発売の「コイカツ!」というゲーム内で作成された画像と酷似しています。
「コイカツ!」を知らない、と言う方に簡単に説明しますと、自由度の高いキャラメイクができるエロゲーです。その自由度の高さから、版権キャラをゲーム内で再現してSS(ここではスクリーンショット)を撮って楽しまれています。類似の作品として「カスタムオーダーメイド」というゲームもあり、僕はそちらで何度かハチナイキャラのSSを撮り、pixivに公開するなどしています。
少し話は変わりますが、一時期「搾精病棟」というエロ漫画がネット上で一世を風靡しました。内容については僕も読んでいないため言及は避けるのですが、とにかく独自の言い回しやストーリーの重厚さから注目を集めたようです。
しかし、もう一つ悪い意味で注目を集めてしまった点があり、それは作品内のキャラが「コイカツ!」のトレスなのではないか?という疑惑でした。ネットの人々が検証を進めると、「トレスというよりもスクショ加工ではないか」といった疑惑に発展。ネットがざわつく中、まるで答え合わせかのようにFANZAにて作品が配信停止に。そして最後には作者自らブログにて「作画に既存アプリの絵をトレースしていたこと」を認め、謝罪することとなりました。
また作者曰く、当時の「コイカツ!」の利用規約では「個人での商用利用可能」と書いてあったらしく、同時に「エロは禁止」ともあったそうです。つまり、販売していた点については大丈夫だったのものの、内容がエロであったために利用規約に違反したものだったようです。
その後、「コイカツ!」の利用規約は改定。
『スクリーンショット機能で作成した画像やキャラデータ等、ゲームで作成されたデータの公開につきましては「他者の権利を侵害しない」「利益を生まない個人でのご利用」その他良識の範囲であれば基本的には可としております。』
と、現在では明記されています(ILLUSIONのお問い合わせページより引用)
随分と話が逸れましたが、今回考えなければならないのがエリシャ監督の作品が「利益を生むか否か」という点です。(「他人の権利を侵害しない」について版権キャラである以上、ガッツリ侵害しているためもはや論じるところはないとします)
規約では商用利用を禁止しているのでしょうから、例えばスクショをツイッターに公開する程度のことならさして問題はないと思われます。あくまで公式のFA企画に投稿しただけですので、商用利用と言えるかどうかは微妙なラインだと思われます。
ですので、「利益を生むか否か」。ここで思い出していただきたいのが、FAを投稿するとナインスター5つが貰えるという点です。ナインスターは確かに無料で貰えるアイテムですが、買うことも出来ます。ナインスター5つが何円になるのか、ということですが、実はナインスターの販売は1個、6個、それ以上と5個での販売がありません。よって確実な値段を出すのは難しいのですが、1個での購入を5回やって手に入れた場合「120円×5」となり、600円相当になります。
つまり、FAを投稿することで600円相当のものを手に入れたと考えることもできるわけです。よって、「利益を生んだ」と解釈しても良いのではないでしょうか。
ところで。よくよく調べるとこの監督さん、昨年も「コイカツ!」を使ったFAを投稿していました。利用規約を読んでないか読んだけど理解していないのか、それとも読んだ上でやっているのか。どちらでしょうね。
次は山田監督の作品。「4周年?何の事かしら」と書かれた文字と、美しい東雲龍のイラストが特徴的です。
ハチナイをよく見ていた方ならお気づきでしょう。東雲龍のイラストはアニメの東雲龍と酷似しています。
……酷似しています、と書きましたが、これは断言出来ます。「同一」です。
何故か?本人が「トレースです」と明言していますので。
トレスに関してはもう論じる必要はないでしょう。以上です。
最後は16811201監督の作品。ロゴをかき消すようにでしゃばる「ゆっくりハチナイしていってね!」の文字と見慣れすぎて見飽きたゆっくりの顔。
これを見た時、虚を突かれた思いがしました。あと脱力しました。
一つ一つ見ていきますと、まず左上が永井加奈子のゆっくり。元のイラストがどのキャラなのかはわかりませんが、髪型はアプリの立ち絵を加工して持ってきているようです。あと輪郭がおまんじゅうになってなくて怖い。
次に左下が天草琴音のゆっくり。髪型は上に同じ。輪郭が歪んでて耳の位置がゆっくりとはズレてて怖い。
そして右下。天草琴音のゆっくり。比較的完成度が高いのは割とありふれたやつだから?髪型は同上。
最後は右上の監督。監督はゲーム内で立ち絵が存在しませんし、VRゴーグルは公式ネタではありませんので、どこから持ってきた画像なのかと少し調べたところ、まずベースとなるゆっくりはきつね氏が制作した「つるまる」というキャラのゆっくり。この「つるまる」ですが、どうやら刀剣乱舞の「鶴丸」というキャラが元ネタのようです。どうやら知らないうちにハチナイは刀らぶとコラボしていたみたいですね。
そしてVRゴーグル。こちらはフリーイラスト素材サイトの「てがきっず」に掲載されているイラストでした。教育機関に関わる方々への支援として始めたサイトだったようですが、まさかハチナイ監督の支援になるとは思いもよらなかったでしょう。
ゆっくりの配布サイトと「てがきっず」の利用規約を見てみますと、「てがきっず」の素材は商用利用が可能な模様。ただし、ゆっくりは「動画サイトでの広告収入等の利用」は個人に限り商用利用とは認めず可となっていますが、商用利用事態は禁止されているようです。
どこから商用利用か、という点になってきますが、「利益を生む行為」を商用利用をみなすならば、先のように600円ほど得をしていますので、商用利用という解釈もできるのではないでしょうか。
以上3作品を紹介して終わり……としたかったのですが、この記事を執筆している今(2021/06/27 12:08)、さらなる情報を目にしたのでもう1作品割り込み的に紹介……いや、晒させていただきます。
はい、無断転載です。
こちらのmiyo監督が過去に投稿したイラストをさも自分の作品であるかのように偽り、何食わぬ顔で投稿し、ちゃっかりナインスターを騙し取っています。そして何たる偶然か、本人のイラストより先に紹介されています。
もはや考える必要はないですよね。
これを最後に晒すことで上記の3つが可愛いものに思えてきましたよ。もうまほまほ監督に至っては労力が発生していません。右クリックして画像を保存して応募ページに投稿する。せいぜい利き手がちょっと動いた程度のことです。
最低。
あれ、ホントは利用規約はちゃんと読んでやろうねみたいなそういうオチで終わらせたかったんですけど、マジモンが出てきちゃったんで内容ぐっちゃぐちゃになりましたね。
そうですね、どうまとめましょうか。
……
はい、今回はちょっとどうかな、と思われる作品(と完全アウトな作品)を紹介しましたが、約11分の公式動画には、数多くの監督さんの、心血を注いだ素晴らしい作品が沢山ありますので、ぜひぜひ見て楽しんでください!
以上、未だに4周年記念SSが書き終わっていないシルエットがお送りしました。
ではでは。