2024/03/21

どりきゅんは太陽を喰らう【アイプラ】


※当記事はBIG4編及びその他諸々のネタバレを沢山含んでいます。

※記事内の情報は殆どが聞きかじった程度の不確かな情報です


2024年3月19日正午。

IDOLY PRIDE Collection Album [chronicle]の発売を翌日に控えたこの日、BIG4編1章46-50話が追加されました。

脱退、敵対と目まぐるしく迷走する琴乃が、どりきゅんから突きつけられた月スト解散通告を前に、彼女なりの「答え」を出した今回。

それにはもちろん賛否両論でありましょうが、私としては「このガキャ~~~!ほんとカワイイのぉ~~~!」といった感じ。


冗談はさておき。

前回の考察記事において、『長瀬琴乃はセトである』ということ記しました。

これを出発点として、今後のストーリー展開が視えてまいりました。


ここからの未来のもう一つのキーワード。

それは「どりきゅんは蛇であった」ということです。



1.ECLIPSE

刻まれたECLIPSE

今回も付け焼き刃的エジプト神話です。


月ストが月であり、サ二ピが太陽であるならば、どりきゅんはECLIPSE

それは二人の衣装にも刻まれているモノです。


さて、ECLIPSEとは「蝕」を意味する言葉。

つまりは日食や月食、といったこと。


この「蝕」はエジプト神話ではどのように描かれるのか。


それは悪の化身たるアペプの仕業であると考えられていました。

闇と混沌を象徴し大蛇として描かれるアペプは、太陽の船を襲う太陽神ラーの最大の敵として登場します。


太陽の船。それは名前の通り太陽を象徴とした存在で、天空を旅することで世界に光をもたらしていました。

昼間は現世の天空を通るのですが、問題は夜。

日没後は地下にある冥界ドゥアトを旅します。

そこで太陽を喰らわんとするのがアペプです。

このアペプが太陽を食べちゃうことで、日食が起こるのだと考えられていました。


「蝕」はアペプが原因。

言い換えれば、ECLIPSEとはアペプ

そう、琴乃がセトであるように「どりきゅんはアペプ」と考えることが出来るのです。


さてさて。

しかしながら日食はそうそう起きるものではありませんよね。

それは何故か。


太陽の船に、アペプキラーが乗船していたからです。



2.アペプとセト

そのアペプキラーこそ「セト」

混沌の神として忌み嫌われた彼は、唯一アペプと真っ向から対峙出来る存在でした。

このセトがアペプと戦うことで太陽は守られ、太陽の船はその旅路を続けられていたのです。


けれどもこのアペプ、残念ながら不死身。

たとえ一度倒したとしても、次の夜には何食わぬ顔でまた太陽の船を襲いに来ます。

つまり、神話上毎夜毎夜アペプとセトは戦い続けていたのです。


そんなアペプとセトの関係性はまさに「天敵」

相反する存在であったはずなのですが、先に記したように二人はどちらも「混沌」を象徴する存在。

時代が下るにつれてセトの扱いも代わり、邪悪な側面が猛プッシュ。

いつのまにかセトはアペプの同類であるかのように扱われ始めたのです。


そう、アペプとセトは「天敵」であり「同類」であるのです。


その関係性、どこか琴乃とどりきゅんの関係性に似ていると思いませんか?



3.長瀬琴乃とどりきゅん


天敵であり同類であったアペプとセト。

それはセトたる琴乃とアペプたるどりきゅんのよう。


初めて琴乃とどりきゅんとが相対した時、どりきゅんは正直ちょっと拍子抜けなくらい「優しい存在」でした。

敗北を喫した琴乃に彼女たちは手を差し伸べたのです。

きっと彼女たちには、長瀬琴乃が「同類」に思えたのでしょう。

近しい存在だからこそ、放っておけなかった。

どりきゅんは彼女を鍛えてあげることにしました。


けれども彼女はセト。

身内殺しの神。

今度はどりきゅんを裏切って、再びへと変わってしまいます。

長瀬琴乃は「天敵」なので。


彼女の立ち居振る舞いにほとほと愛想が尽きた様子のどりきゅんは、長瀬琴乃への興味もしっかり失ってしまいました。

それだけでなく、むしろ「踏み台にされた屈辱」から憎悪すらにじませて。


そんな彼女たちが次に取る行動はなんでしょうか?

新生月ストの再々挑戦を受ける?


いえいえ。

アペプの目的は月を喰らうことではありません。

太陽を喰らうことなんです。



4.どりきゅんvsサニーピース


琴乃に踏み台にされたどりきゅんの意趣返し。

どりきゅんは月ストを踏み台にサニーピースを対戦相手に指名するのです。

BIG4ナンバースリーとも呼ばれるどりきゅんは、BIG4の中では新参のサニピよりも格上。

つまり上位からの指名試合ということ。

どりきゅんはこう付け加えるでしょう。

「もし逃げるなら、それだけの存在ってこと」だと。


さてこの勝負、恐らくはお互いに勝っても負けてもランキング上はそれほど影響はありません。

どちらもBIG4同士の戦いですから、せいぜいBIG4内の序列が入れ替わる程度。

特にサニピからすれば負けても現状維持のまま。

けれどもし負けてしまえば「BIG4の中でも最弱」というレッテルは避けられないでしょう。

正直サニピにとってあまり旨味のある試合ではありませんが、やはり「逃げ」と煽られてしまえば拳を握らざるを得ず。

さらには月ストの敵討ち、なんて側面もあるかもしれません。

BIG4の意地とプライドをかけて、どりきゅんvsサニーピースのゲームが成立してしまうのでしょう。


しかし相手はアペプたるどりきゅん

彼女たちは絶対に太陽を喰らうことが出来ます

つまりサ二ピにとっては負けイベント。

それを月ストは、長瀬琴乃は黙ってみていられるでしょうか?



5.長瀬琴乃にとっての『アイドル』

もちろん琴乃は止めに入るでしょう。

どりきゅんのポテンシャルを一番近くで見ていた彼女ですから、今度こそ煽りでもなんでもなく「サニピが負けてしまう」というのを感じ取るはず。

けれどどりきゅんはもうすっかり琴乃への興味を失っていますから、そんじゃそこらじゃ応じてくれません。

だからこそ、彼女は最後の切り札を切るのです。

「引退をかけて勝負しよう」と。


琴乃の覚悟を感じ取り、前哨戦とでも言わんばかりに勝負に応じるどりきゅん。

これにて三度目のどりきゅんvs月ストの試合が幕を上げます。


このライブ、琴乃にとっては自分だけのライブではありません。

自らが負ければサニピもどりきゅんの餌食になってしまう。彼女はサニピのために

自らが負ければ月ストの4人も道連れになる。彼女は月ストのために

自らが負ければ月ストのファンをも傷つけてしまう。彼女はファンのために

自らが負ければどんなワガママも受け入れてくれたマネージャーの思いを踏みにじることになる。彼女はマネージャーのために

自らが負ければ後を託した姉を裏切ることになる。彼女は姉のために


長瀬琴乃はついに自分なりの「答え」を得るのです。

アイドルってなんだ?

アイドルは皆のために輝く存在なんだ、と。


ついに覚醒の時を迎え、完成した新生月のテンペスト。

その対決の結果や如何に――



これがエジプト神話をなぞるカタチで視えた、アイプラの今後のストーリー予想です。

「なぜエジプト神話なのか?」と聞かれそうですが、全部ぜんぶオカピの所為です。

あいつが悪い。


さて、ここからはちょっとおまけチック。

補足情報をお話してから、まとめと参りましょう。



6.羽休む天使と空を見上げる黒百合


巷では「トリエルやリズノワがどりきゅんと戦って欲しい」的な意見も散見されます。

しかしこれは実現が難しいのではないか、というのが私の見解。

というのも、トリエルもリズノワもどちらもまだ成長途中だからなんですね。


まずはトリエル。

BIG4編にて『今一番BIG4に近いグループ』とは紹介されていますが、以降本当にBIG4に近づいたという描写は『翔け抜けるVictoire』まで為されませんでした。

このイベストの時期は、牧野くんのトリエル組の呼び方から『守れ!純潔のベーゼ』以降であることが推察され、このバレンタインイベストはBIG4編最新話以降であると考えられますので、現状ではまだBIG4に挑戦する位置にないということです。


次にリズノワ。

皆さん忘れているかもしれませんが、BIG4編の時点でも愛とこころはデビューから1年も経っていません

つまりまだまだ成長真っ最中。

彼女たちの成長が伺いしれる『最高優美*飛躍のカウントダウン』『心愛溶けるビターチョコレート』は先の理論でBIG4編以降のお話。

極めつけはフェスストーリー内で、その時点でBIG4には到達していないことが明言されていること。

彼女たちがBIG4と戦えるようになるのはもう少し先のお話でもあるのです。



7.蛇と猫

蛇と猫

どりきゅんのお二人の小ネタみたいな話。

特徴的なステージ衣装には、それぞれ動物が描かれています。

来夢ちゃんには猫(虎?)が、れもんちゃんには蛇が。

これが意味するところですが、れもんちゃんは恐らく先程から述べているアペプの隠喩だと思われます。

では来夢ちゃんの猫はなんなのか。

私が考えるに、これもアペプ関連の隠喩だと思われます。

エジプト神話において、実はアペプは猫と対峙している描写があるのです。


つまりどりきゅんはまさに相反するモノが存在するグループ

それがあの強さの秘訣……なのかもしれませんね。




8.おわりに

さあさあすっかり賛否両論なBIG4編……というか琴乃ちゃんの言動。

後から振り返ってみればなんだか無駄なことをしている印象。

けれども、稀代の名打者イチローも言っていました。

「遠回りすることが一番の近道」だと。

遠回りして、無駄なことをいっぱいして。

そして辿り着いた答え。

それはとっても深みのあるものだと思います。

いつまでも「青春」だから、足掻いてもがいて、最後に笑えればそれでよし。


とりあえず帰ってきた琴乃ちゃんをぎゅーっと抱きしめて頭をワシャワシャワシャワシャー!って撫でてあげたいなって思ってる今日このごろです。

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